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薬草園の世界
東邦大学名誉教授
小池 一男

■□■写真<アセビ>■□■

常緑低木。最近は園芸種として様々な品種が出回っています。

アセビ
▲アセビ 花穂
アセビ

写真は2003年4月1日に撮影。

■□■ 有毒植物 ■□■

有毒植物です
茎や葉に有毒な成分が含まれています。
この有毒成分を利用して、民間では害虫駆除に用いられてきました。葉・茎を煮出して利用しますが、人間にも害がありますので、葉やくきから出た汁に触れないように気をつける必要があります。

誤飲した場合の症状には腹痛・嘔吐・下痢などの症状が見られます。

小動物では、運動神経を麻痺させ呼吸困難、四肢の痙攣を引き起こし、呼吸中枢が麻痺し死に至らしめる危険もありますので、子供やペットのいる家庭では注意が必要です。

■□■ 馬酔木 ■□■

馬がこの葉を食べて酔ったようにふらふらするので馬酔木と名づけられたとの説があります。

アセビは、万葉集にも詠まれるように古くから日本で親しまれてきた植物です。

---万葉集より---

磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど
    見すべき君が在りと言はなくに

詠み人:大伯皇女

池水に影さへ見えて咲きにほふ
    安之婢の花を袖に扱入れな

詠み人:大伴家持

※安之婢=アセビ