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薬草園の世界
東邦大学名誉教授
小池 一男


▲“香り”の脳への働きかけについて説明する林氏


▲飛び入り参加のユーカリ(防虫効果もあり)。体育館脇にそびえています。

■講師プロフィール

薬剤師,臨床検査技師
林 真一郎(はやし しんいちろう)氏

東邦大学薬学部卒業。

病院の薬局に勤務していた85年,西洋医学の 限界を感じて,「グリーンフラスコ」を設立。 世界のアロマ,ハーブを販売する他,わが国 古来の自然素材を紹介するなど,広く活動し ている。

「アロマテラピー LESSON」(主婦と友社)をは じめアロマ,ハーブに関する著書多数。


※グリーンフラスコのホームページはこちら http://www.greenflask.com

■食べ物が演じるアロマセラピー効果 講座内容

【1】アロマセラピー(芳香療法)の基礎知識

【2】香りが心と体に変化をもたらすメカニズム

【3】香りのタイプと気分の関係

【4】食品中の香り成分の位置づけ

【5】食べ物が演じるアロマセラピー効果(食品中の精油の働き)

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★実際に紹介された植物の香りを直に確かめ、ハーブティーと相性の良いチョコレート、クッキーをいただきながらアロマセラピーについて学びました。
 ミントティー(即効性)は頭をすっきりさせる効果があります。チョコレートに含まれるカフェイン(遅効性)との相乗効果でさらに効果UP!

▼アロマオイルを染み込ませたスティックの一部。
 香りを楽しむ。
▼以下、講座テキスト内容より、一部抜粋でご紹介いたします。

アロマセラピー(芳香療法)の基礎知識

【1】アロマセラピーとは

 アロマセラピーとは100%天然のハーブやフルーツから抽出したエッセンシャルオイル(精油)を生活の中で活用し、美容と健康に役立てるライフスタイルを言います。

【2】エッセンシャルオイルの多様な働き

  1. 生理作用 … 呼吸を調節する・消化を促す
  2. 心理作用 … 気持ちを明るくする・記憶をよみがえらす
  3. 抗菌作用 … 細菌の繁殖を防ぐ・腐敗を防ぐ
  4. 生体リズム調節作用 … 昼夜のリズムを回復する・時差ボケを防ぐ
  5. 薬理作用 … 筋肉の緊張を和らげる・痛みを鎮める

【3】代表的なエッセンシャルオイルの働き

  1. ラベンダー(花部)… イライラを解消し、心を安定させる
  2. ベルガモット(果皮)… 気分を明るく前向きにする
  3. ユーカリ(葉部)… 空気をクリーンに保つ
  4. サンダルウッド(根部)… 迷いを絶ち、心身を統一する

【4】エッセンシャルオイルの活用法

  1. 芳香浴 … 香炉やアロマライトを使用
  2. 蒸気吸入 … 熱湯に1-2滴たらす
  3. 入浴(全身浴・部分浴)… バスタブに3-4滴たらす
  4. オイルマッサージ … ホホバ油などの植物油10 mlに2滴の割合で希釈して使用(1%濃度)
  5. 湿布・その他

【5】エッセンシャルオイルの使用上の注意

  1. 内服しない
  2. 直接皮膚につけない
  3. 冷暗所に保存する

食べ物が演じるアロマセラピー効果(食品中の精油の働き)

▼会場で紹介された食物の一部
▲ローズマリー
▲デイル/フェンネル(種子)
▲タイム
▲ウコン

A 果実系

  1. レモン Citrus lemon 精油成分 d-リモネン シトラール
    …心身をリフレッシュし、集中力と気力を増強します。
  2. オレンジ Citrus sinensis 精油成分 d-リモネン リナロール
    …心身をリラックスし、安らぎをもたらします。
  3. グレープフルーツ Citrus paradisi 精油成分 d-リモネン ヌートカトン
    …消化と代謝を促し、疲労を回復させます。

B 野菜系

  1. ジンジャー(しょうが) Zingiber officinale 精油成分 ジンギベレン ジンジャロール
    …消化を促すと共に、消炎・鎮痛作用を発揮します。
  2. ターメリック(うこん)Curcuma aromatica 精油成分 ターメロン シネオール アズレン
    …肝臓や胆嚢の働きを促し、強壮効果を発揮します。                            
  3. ガーリック(にんにく) Allium sativum 精油成分 アリシン
    …コレステロールを低下させ、バイタリティを与えます。
  4. ペリラ(紫蘇) Perilla frutescens 精油成分 ペリラアルデヒド α-ピネン
    …抗菌・防腐作用に富み、食欲を増進させます。

C ハーブ・スパイス系

  1. スイートフェンネル Foeniculum vulgare 精油成分 アネトール フェンコン
    … 消化を促すと共に駆風作用を発揮します。
  2. クローブ Eugenia caryophylata 精油成分 オイゲノール カリオフィレン
    … 消炎・鎮痛作用を持ち歯痛や頭痛を和らげます。
  3. シナモン Cinnamomum zeylanicum 精油成分 シンナミックアルデヒド リナロール
    … 胃腸の働きを整え、血行を促進して体を温めます。
  4. ローズマリー Rosmarinus officinalis 精油成分 α-ピネン シネオール カンファー
    … 抗酸化作用(防腐・老化防止)に富み、記憶力を増強します。                            
  5. タイム Thymus vulgaris 精油成分 チモ?ル カルバクロール
    … 強力な抗菌作用を持つと共に、鎮痙作用を発揮します。
  6. ペパーミント Mentha piperita 精油成分 l -メントール メントン
    … 清涼感が食欲を増進し、腸の機能を調整します。
  7. レモングラス Cymbopogon citratus 精油成分 シトラール シトロネラール
    … 食物の消化を促し、抗菌・防虫効果を発揮します。
  8. レモンバーム(メリッサ) Melissa officinalis 精油成分 リナロール シトロネロール ゲラニオール
    … 心身の過敏な状態を鎮静し、安定をもたらします。