東邦大学へ メディアネットセンターへ バーチャルラボラトリへ
薬草園の世界
東邦大学 薬学部 生薬学教室
小池 一男

▲当日、参加者全員に配られたお土産。

■講師プロフィール

今川 洋子氏 (昭和18年生)
茨城県出身、共立薬科大卒。
病院勤務を経て現在おかだ薬局店主。
調理師。森下敬一自然食療法を学ぶ。
自家製剤、漢方薬、自然食材などを扱う健康相談薬局。

※割烹料理屋へ裏口から乱入、板前さんに直談判し弟子入り。現在、週一回のペースで修行中。


▲講座の中で振舞われた料理。


▲会場の様子。

あなたの生活に取り入れたい東洋の知恵 〜 医食同源 〜
講座内容

理論編
■初めに
 高度経済成長後の欧米化した豊かな食生活によって,私たちは健康になったかといえば,残念ながら社会問題化するほどいろいろな問題がでてきました。

■どうして健康が得られなくなったのか、考えてみましょう

  1. 戦後の健康と食生活に対する大きな転換期の原動力となった「栄養改善普及運動」は正しかったのか
  2. 食生活が欧米化し,米を食べなくなった
  3. 戦後急激に欧米化した食生活,そして飽食により,からだがついていけず,食べたものが体内で不完全燃焼を起こしている
  4. 栄養素にとらわれすぎています

■日本人にあった食とは,どう考えたら良いのでしょうか
  日本伝統食の知恵 -東洋医学の考え方-

■医食同源の「医」について

  • 漢方薬におけるショウガの使い方の例

実践編
料理をするにあたって

  1. 主食と副食のバランスの取り方
  2. 和食の献立のたて方
  3. 旬の素材の一式料理(日本の会席料理)
  4. 更なる健康への道に向かう食事のバランス
    五臓の特徴と食品の系統/五味の特徴と活用のポイント/完全な生命体穀物/五系統の野菜を効果的に食べる/動物性食品の食べ方 /不老長寿の為の動物性食品

 

▼以下、講座テキスト内容より、一部抜粋でご紹介いたします。

日本伝統食の知恵-東洋医学の考え方

日本人にあった食とは、どう考えたらいいのでしょうか
  日本伝統食の知恵 -東洋医学の考え方-

  1. 近代栄養学の落とし穴: 食事で最も大切なのは、あなたの体を温めるか、冷やすかなのです。(下図、健康に生きる食べ物・飲み物に詳細)
    例えば、年齢的に日暮れに近い老人が野菜ジュースを飲みつづけたら、夜寝られないほどのトイレ通い、果ては心まで冷え切ってしまいます。

    ▼テキストより、 『健康に生きる食べ物・飲み物』
    体を冷やす食べ物、温める食べ物が解りやすく掲載されています。
    (クリックすると大きい画像が開きます)


  2. 身土不士:四里四方、十里四方のものをその時期の旬に合わせて食べることが健康の秘訣だと、昔の人は言っておりますがなかなか難しいことです。野山の旬の野菜の味を覚えたら、本物と偽者の区別はつくはずです。

  3. 播いて芽の出るもの:芽ほどエネルギーに溢れているものはありません。
    玄米、大豆、小豆、ゴマ…これらはすべて播けば芽が出ます。古いものは死んでいます。

  4. 一物全食:丸ごと食べることが最も調和が取れ、理に叶った食べ方です。手のひらより小さい魚なら、頭から全部食べられます。
    カキもアワビもその殻は牡蛎、石決明と呼ばれる大切な薬用資源です。
     
  5. 温める食物(陽性)にするには:煮炊きして熱を加え、暖かいうちにいただきます。また、 陽に干す、塩押しをして日時を経ることも効果があります。
    ※生のまま食べたり、酢、砂糖を使用した料理、冷蔵庫で冷やしたものは、冷やす(陰性)食物となります。

  6. 水に流して:あらゆる食品は完全無害ではありません。農薬、添加物、保存料、最近では遺伝子組み替え等々。
    対抗策としては、よく洗い、茹でて水に流すしかありません。
    多種多様な食材を中和させて口に入れたら、主食とおかずを30回ずつ噛み、唾液をいっぱい出すことが大切です。

  7. 白を憎み、黒を愛す: 食卓塩は化学合成したものであれば、化学薬品と同じです。塩とは、多くのミネラルを含む、自然塩を言うのです。砂糖も同じ。米もパンもすべて白いものは危ういです。

  8. 感謝して:食材を作る人、料理を作ってくれる方々、有難うございます。いただきます。ごちそうさまでした。
    かくて、明るい、健康が初めて生まれるのです。

完全な生命体穀物

 穀類の中では、米・麦・そばが食事の大部分をしめています。
 お米は、玄米または胚芽米で食べるのが基本です。

玄米:
全身の元気を養い、五臓を調和する第一級の品です。
皮膚病、便秘、血管障害、心臓病、強壮、強精、胃腸病、肥満、貧血、不妊、冷え性、制ガン
麦:
米とは正反対の季節に成長し、イライラを止めます。肉を多く食べる人々の穀類として適している食品です。
血液浄化、 肝臓病、腸のぜん動、のぼせ、怒りやイライラの鎮静、利尿、心気を養います。
ハトムギ:
肺リンパ血液の制ガン効果あり。
血液浄化作用、神経痛の緩和、消炎、解毒、暖下、排膿、利尿、解熱、イボ、肌荒れ
そば:
高血圧、便秘、血液浄化、美肌、帯下、下痢、腹痛
黒豆:
解毒、利尿、喘息、リュウマチ、むくみ、腎臓病、薬物中毒、体力強化、アレルギー体質改善、美肌、血液活性化
あずき:
腎臓病、利尿、糖尿病、むくみ、心臓病、便秘、血液浄化、催乳、産後の回復
納豆:
日本人が発明した食品での傑作中の傑作
腸内異常発酵、健脳
豆腐:
老化防止、動脈硬化、心臓病、胃腸病、糖尿病

五系統の野菜を効果的に食べる

 自分の体に適合した基本的な野菜を副食として毎日一回、病気の人は毎食毎に、分量は小鉢一つ分1回15日単位で食べていると、体が自然に調整されてきます。

<代表的野菜の薬効>

人参:
貧血、低血圧、スタミナ強化、疲労回復、美肌、夜盲症
心臓、小腸など心系統における典型的食品
牛蒡(ゴボウ):
解毒、強精、利尿、眼病、歯痛
肉鍋、魚介鍋にゴボウを使うのは、肉・魚介という強精食品からでる毒素をよく消す効果が強い
腎臓、生殖器など腎系統によし

大根:

胃腸病、便秘、痔疾、高血圧
たっぷりある水分は全身の水分によく共鳴し、回復力を助ける
肺、大腸、腎臓病、生殖器病、皮膚病など、肺系統、腎系統によし
トマト:
心臓病、強肝、貧血、疲労回復、脂肪食品の分解
トマトの形状は心臓によく似ています。
心臓、血液、小腸などの心系統によし
キュウリ:
利尿、貧血、血液浄化、胃腸病、リュウマチ、血圧異常
カボチャ:
胃腸病、虚弱体質、糖尿病、前立腺肥大
キャベツ:
胃潰瘍、胃腸病、食欲増進、整腸、貧血、健脳
自然治癒力の増強
ほうれん草:
貧血、自律神経失調症、更年期障害、便秘、健胃、
ニラとともに、肝系統に効果抜群
ネギ:
気管支、精神力強化、肺、のど、風邪
肺系統の典型食品。刻んで味噌と共に食すと効果を高め、精神力の強化につながる
タマネギ:
精神力強化、血液浄化、抗アレルギー作用、不眠
精神(気)の代表的食品。水にさらさず常食
肺系統、腎系統に大切な食品
ニラ:
強肝、強精、整腸、貧血、止血、精力強化
肝臓、目等の肝系統を養う典型食品
ジャガイモ:
貧血、胃腸病、肉食の解毒、高血圧、腎臓病
乳児の栄養不良や、下痢を治し、アレルギー性の喘息や皮膚炎にも良効

動物性食品の食べ方

 動物性食品はその形が人間に近いだけに強い効力を持っています。 一物全体食を心がけることを第一の要点と考えてください。
 例えば、小魚や小エビを丸ごと食べることは良好です。
 発育期、青年期は動物性食品を多食しても良いですが、同時に野菜等植物性の食品を倍量食べることでバランスがとれます。

<不老長寿の為の動物性食品>

フカヒレ:
髄 そのものの食品
脳髄、脊髄といった人体の根幹を養います
ナマコ:
海の朝鮮人参をいわれ“海参(ハイシェン)”と中国語では書きます
強精食品の随一、高血圧、強肝、制ガン、老化防止
クラゲ:
動物性の海草、消化吸収力が大きい
高血圧にもよい
ウニ・魚卵類:
良好な強精品、ウニは精神作用からくる眼精疲労に有効
少量食すると長寿
貝類:
貝類の形を観察すると黒胡麻、スイカの種、ピスタチオのような木の実類、モミ殻に包まれた玄米などの形によく似ています。しかも自分の力だけであの固い殻をつくるわけですから、その精力、カルシウムの発散力は驚異的です。