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薬草園の世界
東邦大学 薬学部 生薬学教室
小池 一男

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  身近な薬草・薬木を四季おりおりの歳時を交えながらご紹介いたします。

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 年の瀬も押し詰まってくると、松を色々な形で飾り新年を迎えます。

 松は一年中青々とした葉を付けている常緑樹で、海岸にはクロマツ、山野にはアカマツが砂礫や岩石の多く、他の植物が育成しない所に生育していることから、松には不思議な力が宿っていると考えられ、神の依代(よりしろ※依り代)とされてきました。神は福をもたらし、邪(病気)を追い払うので、昔から多くの人が色々と使ってきました。

 その一例がマツバは虫歯、咳、喘息、腹痛、神経痛、乗り物酔い等やマツバ酒にして中風(ちゅうぶ)の予防に、マツヤニは貴重なものとして内服し、肩こり、切り傷、打ち身、できもの等に付けました。

 松脂(まつやに)は製薬原料として使用されています。

ウメは中国から入ってきた植物で、春、他の植物の開花前に香りの良い花が咲くので、奈良時代の花見といえば、ウメ花見で花と香りを楽しんだとのことです。

 ウメの未熟果をくんせいにしたものを烏梅といい、漢方では回虫が原因で引き起こされた腹痛等に漢方処方に配剤しています。

 一般では梅肉エキスを食あたり、下痢、腹痛等に、梅干しをかぜ、せき、頭痛、歯痛等に使用されてきました。

 

 

 ももは中国に延命長寿の仙木の思想があり、この影響を受け『古事記』や『日本書紀』の中に桃の実でどうしても追い払うことの出来なかった鬼を追い払うことができた、昔話の桃太郎の鬼退治の話等はこの思想の影響を受けていると言われています。

 モモの種子を桃仁(トウニン)といい漢方では、血液の循環が悪くなった為に起きた痛み等を緩解(かんかい)する目的で、漢方処方に配剤されています。

一般ではももの葉をふけ、あせも等に使用しています。

 

 ※文章・写真は磯東洋医学研究所の鈴木堯先生の提供によるものです。