東邦大学薬学部東邦会館にて2005年9月11日(日)・12(月)の両日、統合医療における植物療法特別講座を開講致しました。

 南仏グラース市の薬局にて植物療法を取り入れた統合医療を実践しているフランシス・アジミナグロウ薬学博士をお迎えして、芳香植物療法の先進国フランスからの生きた情報をご紹介いただきました。

9月11日(日曜)

10:00〜10:40

南仏をベースとするフランシス薬学博士の先進的な活動(前田 久仁子)
「エルボリステリ」、グラース市(フランス)の植物療法専門薬局であるファーマシー・デ・カトルシャマンの実際の活動をご紹介

10:50〜11:50/13:00〜14:50/15:00〜16:50

ガレノス製剤の理論と実際、及び植物エキスについて(フランシス・アジミナグロウ薬学博士)
剤型の理論と処方、そして用いる植物エキスの抽出法や性質について解説

9月12日(月曜)

10:00〜11:50/13:00〜15:00

症状別芳香植物療法の実際(フランシス・アジミナグロウ薬学博士)

ケーススタディーとして具体的に芳香植物療法を紹介。
基本の調剤の展開として、症例にあった調製をするための考え方、工夫を詳細に解説していただきました。実際に用いている製剤の処方についても詳しく示され、参加者には非常に実りある講義でした。
  1. ニキビ
  2. 爪真菌症
  3. アトピー性皮膚炎

15:00〜16:50

・ディスカッション:統合医療としての芳香植物療法の可能性(進行:林真一郎)

参加者からの質問は、
  • 爪真菌症について、外用薬治療のみで完治した症例はありますか
  • 既に耐性が出来てしまっている患者に植物療法を行う際の、フランスでの医師の取り組みについて教えて下さい
  • アトピー性皮膚炎の場合の西洋薬と植物療法の併用治療についてアドバイスをお願いします
  • UVケアについてのアドバイスをお願いします
  • アジミナグロウ先生のパワーの源は?
など多岐にわたりましたが、ひとつひとつの質問に時間をかけて丁寧にお答えいただきました。
※写真左は、爪真菌症について質問する帝京大学医真菌研究センター 井上重治先生(薬学博士)


■フランシス・アジミナグロウ薬学博士 プロフィール

南仏グラース市で自身の経営する薬局において患者ひとりひとりの症状に応じて処方するオーダーメイドな芳香植物療法に取り組み、医師や自然療法家らとの連携を持ちながら統合医療として多くの臨床成果を挙げている。パリ・ボビニ医科大学、モンペリエ薬科大学などで植物療法の教鞭をとり、芳香植物療法の先進国であるフランスにおいて第一人者として活躍、ヨーロッパ各地から指導を受けに訪れる医師や薬剤師などを研修生として受け入れている。本年度新設されたヨーロッパ連合の医科大学に、芳香医学(アロマティック・メディスン)課程を普及させる科学委員会会員。

 

■前田 久仁子 プロフィール

フィトアロマセラピー研究家。鍼灸指圧マッサージ師。鍼灸とアロマセラピーを組み合わせた療法の先駆者。この分野の執筆や翻訳、講演を行っている。南仏在住。フランシス・アジミナグロウ薬学博士に学び、現在アシスタントを務める。

 

■林 真一郎 プロフィール

東邦大学薬学部薬学科卒業。薬剤師、臨床検査技師。1985年グリーンフラスコ株式会社設立。医師・鍼灸マッサージ師・助産師・薬剤師などとネットワークを作り、情報交換を行いながらホリスティック医学としてのアロマテラピーやハーブ療法の普及に取り組んでいる。 日本ホリスティック医学協会運営委員。メディカルハーブ広報センター常任理事。社団法人日本アロマ環境協会理事。

 

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