ビタミンCの常識はいつも常識ではない
ビタミンCの溶液が何色だか分かりますか。(1)黄色ですか?(2)白色ですか?(3)無色ですか?半分以上の方は(1)の黄色と答えられます。それは不正解です。言い方はよくないかもしれませんが、一般消費者は飲料水メーカーの販売戦略にのせられビタミンC溶液の色を「レモン色」、即ち「黄色」と思い込まされています。例えば、コンビニでビタミンC飲料水が水と同じ無色透明な溶液で売られていたら、あなたは購入しますか?実際のビタミンC溶液は無色透明な液体です。
身近な事柄で「あたりまえ」と思っていても「あたりまえ」でないことは多くあります。その典型的な例がビタミンCです。ビタミンCには「美白効果」、「風邪予防」、「老化予防」など様々な効能が以前からいわれてきました。しかし、その科学的実証に乏しいのが現状です。私は長年にわたる老化研究の中で、「ビタミンCの不足は老化を促進する」ことをビタミンCを体内で合成できない遺伝子破壊マウスを作成し、初めて科学的に明らかにしました。ヒトやサル、モルモットは体内でビタミンCを合成できません。しかし、身近にいる犬、猫、鳥、魚などは体内でビタミンCを合成できます。このことを知っていましたか?
私たちは日常的に「あたりまえ」とか「常識である」という言葉を多く使います。しかし、常識はいつも常識とは限りません。特に、ビタミンCの常識はいつも常識ではありません。私たちはビタミンCに関連する生体内での反応を詳しく解析し、ビタミンCの常識を再考して『老化制御』へと発展、応用させて行きます。
東邦大学 薬学部 生化学教室 石神 昭人