ゴールデンウィークを目前に控えた4月下旬、A館4階の実習室において、今年も薬学部3年生対象の薬理学実習が行われました。薬物学・薬理学の両教室が担当し、5・6年生の先輩アシスタントもサポートします。薬理学実習はラット、マウス等の生きた動物や心臓・腸管などの臓器を使って生体の構造と機能、それに対する薬物の作用を学びます。まさに生命そのものを学ぶ実習と言えるでしょう。薬理学は生理学、解剖学、生化学、物理化学、有機化学などと深く関連しており、これらの知識を総動員して取り組む必要があります。この実習を通じて、薬剤師や研究者として活躍する夢が広がります。

 薬物学教室が担当するのは内容は2種類、以下に実習風景とともに紹介します。


摘出心臓への薬物投与実習


 行方衣由紀講師が担当する「モルモットの心臓を栄養液中で拍動させて薬物を投与する実習」です。モルモットから心臓を取り出すところの実演から始まりまり、イオン濃度変化や薬物の影響を観察したり、電気信号を発生して拍動をコントロールするペースメーカー細胞の位置を確認したりします。


摘出心臓標本の作製をみつめる実習生達。先輩の早業に目を丸くしています。

マグヌス管の中に心臓をセット。人工的な液の中で心臓が拍動します。

収縮波形データから心臓の状態を解析し、投与した薬の働きを理解します。


ラットの血圧測定実習

 田中光教授の指導のもと、まずはラットに麻酔をかけるところからスタート。アセチルコリンやアドレナリンなどの神経伝達物質やホルモンの作用を確認し、各種治療薬の影響を観察します。さらにグループごとに渡された“未知検体”の正体を推理します。


次はどの薬を投与しようかな?実験の内容を自分たちで考えて決めます。

全実験データから与えられた未知検体の正体を推測、グループ全員で議論して知恵をしぼります。

困ったときに頼りになるのはやはり先輩!


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