種差−動物種による違い− 心筋の発達変化 心臓の部位による違い
難易度2
【成体心筋】 心筋収縮に重要なカルシウムイオンの制御は、成体では筋小胞体が重要な役割を果たしています。成体の心室筋ではT管が発達しており、活動電位により流入したカルシウムイオンがCa2+-induced -Ca2+-release のしくみにより筋小胞体から大量のカルシウムイオンを放出させ、これが収縮タンパクに作用して収縮を起こします。
【胎児心筋】 胎児期の心筋細胞はT管が未発達で、筋小胞体もわずかです。活動電位により細胞膜から流入したカルシウムイオンが直接収縮タンパクに作用して収縮を起こします。胎児期の心筋細胞は成体のものよりも小さく、収縮タンパクも成体より量が少なく、整然と配列した構造も未発達です。単位断面積当たりに発生する収縮力は胎児心筋では成体より少なくなっています。