一酸化窒素
一酸化窒素 nitric oxide(NO)
●内皮細胞由来の血管弛緩因子の代表的なものが一酸化窒素 nitric oxide(NO)です。NOは内皮細胞中のNO合成酵素の働きでアルギニンからつくられます。アセチルコリンをはじめ、ブラジキニン、ATP、ヒスタミンなど多くの血管拡張物質は内皮細胞からのNO遊離を引き起こします。 血管平滑筋細胞に到達したNOはグアニル酸シクラーゼ guanylate cyclase を活性化してcGMPの産生を促進し、血管弛緩を引き起こします。 cGMP による血管弛緩の機序については不明の点が多いものの、ミオシン軽鎖キナーゼの不活性化や膜電位の過分極が関与すると考えられています。
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プロスタサイクリン
プロスタサイクリン prostacyclin PGI2
●血管内皮細胞内でのシクロオキシゲナーゼ等の働きによるアラキドン酸代謝の結果産生されるプロスタグランジンの仲間ですが、機能的にはEDRF のひとつであるとも考えられます。プロスタサイクリンが血管平滑筋細胞膜上の受容体に結合するとアデニル酸シクラーゼが活性化されて cAMP が産生されます。 cAMP 依存性のリン酸化酵素の働きにより、ミオシン軽鎖キナーゼの活性化が抑制されて血管が弛緩します。プロスタサイクリンには血小板凝集を抑制する働きもあります。
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エンドセリン
エンドセリン endothelin
●わが国で発見された21個のアミノ酸からなる内皮細胞由来の強力な血管収縮ペプチドです。末梢血管抵抗と心拍出量の増大による持続的な血圧上昇を起こします。それ以外にも神経内分泌およびシナプス伝達の修飾、気管支収縮、細胞増殖促進、発生初期における形態形成の制御などきわめて広範な現象に関与しています。心不全などの病態で組織のエンドセリンの産生が増大することもわかってきました。
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血小板活性因子
血小板活性化因子 platelet activating factor(PAF)
●腎臓や血管内皮細胞で産生されるリン脂質で、強力な血小板凝集作用と血管拡張作用があります。免疫系の細胞を活性化する作用もあり、炎症やアレルギーに関与するとされています。
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