東京湾海藻日誌

東京湾の海藻(1)

5.東京湾奥の海藻を研究するにあたっての問題点

イ)袋状のヒトエグサ、ラッパ状のヒトエグサ、かつてギンアオ又は、ベッコウアオなどと呼んだヒトエグサ類は今はまったく見られなくなってしまった。あれはいったいどこへいってしまったのだろう。

ロ)ヒビミドロもたくさん見かけたのだが今はほとんど見かけないのは何故か。

ハ)ハネモ(ミナトハネモ)は、1970年頃には大量のハネモが浜に打ち上げられたのだが、今は1回の採集で、数個体しか見かけないのは何故か。

ニ)1980年頃、ナヨシオグサが船橋沖で大発生して、海苔ヒビにからまり、ナヨシオグサ殲滅大作戦が展開されたことがあったが、近年、ナヨシオグサの姿を見かけることは稀になったのは何故か。

ホ)1970年代、岸壁にミルの生育が観察できたのだが、その後、東京湾奥では見たことがない。

ヘ)寒い時には、東京湾のいたるところで見られた褐色でフワフワとしたシオミドロがまったく見られなくなった。

ト)幕張の浜の岸壁にはウシケノリが生育し、年間を通じて観察採集ができたものだが、今はまったく観察できないのはどうしてか。

チ)かつての落ち海苔は細長く、薄いものだったが、現在でも10月から12月にはその様な海苔がでてくるのだろうか。

リ)サメズグサらしいものが大量に寄ったことがあるが、その時だけでその後まったく見られないのは何故か。

ヌ)海が荒れると、幅の広いアマモのような海草がたくさん打ち上げられた。あの海草はどこから来たものなのだろう。また、何という種類だったのだろう。  

 ザッとあげてみただけでもこのように10項目もの問題点があがってしまった。
 これだけの課題が考えられるのであれば、一年間継続して採集してみたらきっと、面白い研究テーマがたくさん見つかるに違いない。はたして、年間を通じて採集に出かけられるかどうかも不安ではあるのだが、当面、カイガラアマノリをメインテーマとして始めることとする。  

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