海藻押し葉工房

海藻押し葉のつくり方

海藻押し葉について

海藻は陸上植物に比べて個体変異が激しい、だからたくさんの押し葉を作ろう

  海藻は同一場所に生育していても、形や大きさだけでなく、色も手触りも異なるものがあります。あたかも別種のようなものが、同種であったり、別種と思われるものが同種だったりすることがよくあります。海藻がわかりにくいといわれるのは、このような個体変異の激しさによるものです。

 これを解決するには、たくさんの材料を採集してきて、たくさんの押し葉を作って比較することが必要となります。同一場所で、同じ種類と思われるものを50枚も作ると、実に様々な形態のものが入っていることがわかります。結果的に、ますます混乱するほど様々な形態のものができてしまうものもあります。

 1種類について200枚ほどの押し葉があることが望ましいと思っています。実際には大学の研究室でも、1種類について200枚の押し葉標本をもつ標本室はほとんどありません。たとえ200枚の押し葉をもっていてもラベルが貼ってあっていつでもそれらを引き出して比較検討することができるような標本室は皆無です。そういう点からも、各地の大学の標本室を当てにすることはできないのです。

 それであれば、これからこのようなニーズに対応した充実した押し葉標本室を独自に作ればよいのです。
 私達が磯にでて調査の現場で困っていることは、大学や水産研究所の先生方だって困っているはずなのです。大学や水産研究所の先生方さえも当てにならないのであれば、自分たちでたくさんの押し葉を作ってそれをデータベースとすればよいのです。

 私達は一生1ヶ所にとどまって海藻を調べているわけではありません。調査の現場は全国におよびます。ですから、だれよりも生の材料に接する現場にいるわけです。ですから、いつまでもわからないものをわからないままにして問題を引きのばすことはできません。独自に解決する道を拓いたほうがはるかに功利的であるわけです。大学や研究室、あるいは研究所をあてにすることなく、たくさんの押し葉を作って比較検討できるデータベースを作ることができたならばそれは研究室にとっても、あるいは調査の現場で働く人にとっては大学でも、研究所でも、会社にとってもかけがえのない財産となるはずです。

 ここで、たくさんの押し葉を作成する方法、ノウハウを述べることにします。

次は用意するもの

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