13-イソハギ?

イソハギ
Heterosiphonia japonica Yendo?
紅藻 イギス目 ダジア科
採集地:新潟県両津市蚫(現佐渡市鮑)
採集日:2003年2月25日

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高さ5〜12cm、イソハギによく似た海藻で日本海にはよく見かけるものである。他の海藻に付着したり、春から夏にかけてはよく海岸に打ち上げられる。これまで、イソハギとしてきたものを見ると、本種である可能性が高い。Dasysiphonia や、Dasyaのようにも見える。

体はよく分枝した円柱状の茎に、若い部分では密生して毛状枝を生じる。毛状枝は節部から生じ、単列、あるいは1〜3回叉状に分枝する。老成すると毛状枝は落ちて裸となる。皮層を形成し、毛状枝を失った裸の枝は皮層に覆われる。この体を切って見ると、中心に軸細胞があり、そのまわりを4個の細胞が取りかこみ、その外側は皮層細胞によって覆われる。関東のイソハギは5細胞の周心細胞からなるのに、佐渡のイソハギは4個の周心細胞をもつのである。これは明らかに種が異なるものと考えられる。イソハギは著名な海外帰化種で、ヨーロッパ各地にまで分布を拡げている。Choi, H.-G. G. T. Kraft, I. K. Lee and G. W.Saunders(2002)らはイソハギの分類には問題を指摘しているが、わが国周辺に生育するイソハギの仲間を集めて比較研究する必要がある。

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