腎不全の治療
透析
慢性腎不全になると維持療法である透析をまず行わなければ患者さんは死んでしまいます。
透析は血液透析と腹膜透析の2種類ありますが、小児では体が小さいため多くの血液が体外循環される血液透析は不向きで普通は腹膜透析を行っています。
腹膜透析は最近夜間寝ている間に行う方法(NPD)が盛んに行われています。しかし長期に及ぶと腹膜の機能が低下して、硬化性腹膜炎になり、このため死亡することも多く報告されています。
またトンネル感染や細菌性腹膜炎、骨障害、貧血、背が伸びない、水がひけなくなるために心不全を起こしたりします。いづれにしても子供らしい生活が送れなくなります。
移植
腎移植は免疫抑制剤の副作用、拒絶反応や感染症などさまざまな問題はいまだありますが、どの年代でも透析よりも生存率が高く、成功すれば(特に小児における成功率は高い)前述の問題はほとんど解決してしまいます。
現在ある腎不全の治療として生活の質を考えれば、透析よりはるかに優れたものと言えるでしょう。
移植が透析よりすぐれている点は
【患者さんの意見より】
- 針をさされない(血液透析)。
- お風呂に自由に入れる。プールや海で泳げる。(腹膜透析)
- 食事の制限が少ない。
- 子供を生める(女性)。透析で出産は困難である。
- 旅行にいける。
- かゆみがなくなる。
- 疲れがとれる。
- 汗をかくようになる。透析すると乾燥して汗をかかない。
- 食事の味がよくわかる。
- 自由な時間を使える。
【小児の場合】
- 背が伸びる
- 男らしく、女らしくなる。
- 学校の勉強ができる。
- 余暇を友達と楽しめる(臨海学校、林間学校、修学旅行、体育の授業に参加できる)
|