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青い魚はなぜ青い?
東邦大学名誉教授
大島 範子

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デバスズメダイ

学名:Chromis viridis
英名:Blue-green damselfish

Blue-green damselfishの青緑色は微妙に色合いを変える

デバスズメダイ(Blue-green damselfish)の見かけの色は、固定された黄色い色と変化する青い色によって作り出されています。
下のパターンで見てみましょう。

水色と黄色の水玉のパターンぎっしりと並べ、縮小。

左の水玉パターンを背景に敷き詰めてみました。

落斜照明

実際に、色素細胞を落斜照明(上からの照明)で撮影すると下の写真1のように見えます。

【写真1】左から右へ、体色の青色が薄くなっていく変化

上の写真の黄色く見える色素胞(虹色素胞)は黄色に固定されています。
この写真から、青い色の色素胞(虹色素胞)が変化することで体色の変化を起こしていることが解ります。

透過照明

透過照明(下からの照明)では下の写真2のように見えます。

【写真2】デバスズメダイの虹色素胞は、黒色素胞の上に存在しています。
透過照明を当てると、虹色素胞の下にあって見えなかった黒色素胞がはっきりと写ります。

上の写真の黒く見える部分には黒色の色素胞があります。
3番目の写真では、黒色素胞が中央に凝集しています。
写真1・2の二枚の写真から、青い色を発色している虹色素胞と、その下にある黒色素胞が同時に運動していることが解ります。

写真出展:Fujii,R.et.al.,Zool.Sci.,6:477-486(1989)

デバスズメダイの青緑色の変化については色素胞の種類と運動性