たのしい科学のひろば

 2007年12月22日(土)、近隣の小学生を対象とした『たのしい科学のひろば』が東邦大学理学部、東邦大学鶴風会(同窓会)、東邦大学エネルギー環境教育研究会の共催で開催されました(後援:船橋市教育委員会、習志野市教育委員会、東京電力、京葉ガス、東京ガス千葉支店)。

 この企画は、理学部教養科教育学教室の畑中講師が中心となって、同教室の新保准教授、化学科前教授の進藤先生、そして東邦大学の卒業生で現在それぞれの学校で教鞭をとられている現職の先生方と共に進められ、当日は全部で16の実験が行われました。実験は、前述の先生方に加え、東京電力、京葉ガス、東京ガスといったエネルギー関連の企業の方々、物理学科の教員、そして畑中先生の講義を受講しているたくさんの学生さんにより行われました。実験は、150名近くの子供達で大盛況。つきそいのご父兄の方もいっしょに科学を楽しんでもらえたのではと思っています。

実験内容

  1. 火山灰からの宝物探し(高学年向け)=大谷先生
  2. マイナス196℃の世界を体験=酒井先生
  3. 万華鏡作り=西澤先生
  4. カルメ焼き=大木先生
  5. ポンポン蒸気船=大木先生
  6. コップロケットを飛ばそう=西澤先生
  7. マグデブルクの半球=大谷先生
  8. エネルギー実験・風カリフト作り=畑中先生
  9. エネルギー実験・うちわで発電=畑中先生
  10. エネルギー実験・紙オムツで電池=畑中先生
  11. 化石つくり=石渡先生
  12. 霧箱作って放射線を観察しよう=小川先生
  13. 光り輝くペットボトルをつくろう=茂木先生
  14. 発電の仕組みを知ろう -ソーラーメロディウス作りに挑戦=東京電力
  15. 燃料電池って何?=京葉ガス
  16. ガス管でペンダント作り=東京ガス

対象校:

習志野市立大久保小学校・大久保東小学校・藤崎小学校・実籾小学校
船橋市立田喜野井小学校・三山小学校・三山東小学校

※今回のイベントは、地域貢献としての位置づけもあり、近隣の小学校にのみご案内を差し上げました。ご了承ください。



当日の様子


霧箱作って放射線観察

基礎物理学教室の小川了准教授が研究室の学生さん4人と共に担当しました。
実験は、約1時間のコースが2回行われそれぞれ整理券が必要でした。100円ショップなどでも売っているような簡単なビン、ドライアイス、エタノール、そして懐中電灯。霧箱で放射線を見るのに必要なものはこれだけです。人の手のひらには1秒間に1個くらいの割合で宇宙から放射線が降り注いでいると聞いた子供たちは目をパチクリ。でも無事全員、自分で作った霧箱で放射線を見ることができました。




マイナス196℃の世界を体験

 原子過程科学教室の酒井康弘准教授が、2人の学生さんと共に担当しました。最初に、この実験で使う液体窒素の取り扱いの注意を聞いて、そのあと水のようにも見える液体窒素の触ったりしました。(ちょっとだけなら触っても大丈夫なんです。!)みんなこわごわ、でしたね。
 左の写真は、缶の中に液体窒素を入れただけで、缶から水のようなものがたれていくのを見せているところです。この水のようなものの正体はなんと、液体酸素!

 この実験は体験することが目的なので、みんな自分自身で液体窒素と戯れます。写真は膨らませた風船を液体窒素に浸けているところ。
 そうすると、風船はみるみる縮んでしまいちいさくなってしまいます。なぜでしょう?空気のような気体は、温度が下がると体積が小さくなってしまうのです。こういったことは中学や高校に行くとしっかり学びます。

 縮んでしまった風船は、液体窒素から出すとまた元に戻ります。みんな本当に何度もやっていましたね。
 このほか、ボールを凍らせて床にたたきつけて割ったり、バナナを凍らせてみたり、消しゴムを凍らせてみたり・・・・。
 消しゴムは液体窒素で冷やしたり、冷やしたあと放置しておくと爆発して粉々になります。

 この実験で一番の人気は、液体窒素をフィルムケースに入れてふたを飛ばした液体窒素のロケットと窒素撒き。液体窒素を机や床の上にたらして、まるで熱いフライパンの上にたらした水滴のようにおどる液体窒素を歓声を上げながら追いかけます子供たち。担当している学生さんたちも思わずほほが緩みました。