東邦大学名誉教授
山内 長承
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3.考察と今後の取組み

今後の取組み

教育プロセスにおけるひとつの選択肢としてのWBT

WBTは、企業内の研修から実用的な資格試験まで、すでにさまざまな場面で使われている技術なので、それ自体が目新しいものでもなく、また研修やテストとしての利用ノウハウも蓄積されているようです。

しかし、その昔に試みられたCAIシステムの時代からの問題点、すなわち

  • 複線化が可能な、柔軟なカリキュラム構成にするためには、大量の教材を準備しなければならないこと
  • 本格的な記述式問題はコンピュータによる採点が難しいこと
  • 学習結果の的確な評価を選択肢式の回答だけから見極めるのは難しいこと

などはWBTになっても解決していないため、全面的に依存するわけにはいきません。
ここでは予習チェックという限定された場面での利用に限定していますが、もう少し拡大することが考えられます。

テストだけで用いる場合には、大量の問題ベースと多数の受験者がある場合には、それなりに有意な結果が得られるといわれています。しかし1年に100人程度の学生しか利用しないのでは、統計的な結果には疑問が残ります。他方、教材提示として利用する場合には、オンライン教材提示の速度を調節し、興味を集中させる目的で有効なテスティングが考えられるでしょう。この方向は、受験者数は問題にならないので、大学でも活用できる可能性があります。テスティングだけに注目せず、教える内容に適した教育プロセスを考える中での一つの選択肢として捕らえたらよいのではないかと思います。



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