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東邦大学 理学部 生命圏環境科学科
環境創成科学部門
(人間科学・環境心理学 実験室)
渡辺 恒夫
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グリーンサイコロジーと東洋の英知

T 総論:環境心理学とグリーンサイコロジー

  • 環境心理学は、環境の人間への心理的影響を研究すると共に、人間行動の環境への影響も研究します。
  • 前者の研究の例としては、緑の環境がストレス軽減に及ぼす影響の生理心理学的研究や、景観評価に関する心理測定、街並みの風景が人格・アイデンティティに及ぼす影響の生涯発達心理学的研究などがあげられます。
  • 後者の研究の例としては、環境保護行動を増やし環境破壊行動を減らすにはどのような要因をどのように用いれば有効か(飴と鞭、フィードバック、環境教育など)についての社会心理学的研究や、前者の研究結果の応用としての環境デザインの研究などがあげられます。
  • グリーンサイコロジーは、環境心理学よりも概念が広く、倫理や哲学思想と交錯する分野も含みます。
  • 京都議定書(1997)においてライフスタイルの変更が提言されましたが、価値観の転換なくライフスタイルを変更しようとしても、「イヤなことの我慢を強いられる」こととしてしか感じられないでしょう。しかも価値観の転換は、上からの押し付けでできることでも、またすべきことでもありません。私たちひとりひとりの生き方が、世界観が、死生観が、自然と変わることを可能にする方法が、見出されなければならないのです。
  • 当研究室では、そのための方法として、ノルウェーの代表的なディープ・エコロジストであるアルネ・ネスがガンジーを通じて古代の東洋思想に学んだように、古来からの東洋の英知に着目し、これを心理学的に解明し、さらには実生活に生かすことをめざします。
  • なお、当研究室の、環境科学全般に対する考えを述べた論文「環境問題シンポジウム(1992)から16年―環境科学の科学基礎論へ向けて」が、『科学基礎論研究』(Vol. 37, No.1, 49-58) に掲載されのでご参照ください 。以下に、 PDF版 として提供させていただきます。引用の際には、頁数まで正確にご記入いただくようお願いします。
    「環境問題シンポジウム(1992)から16年―環境科学の科学基礎論へ向けて」PDF版

II 当研究室での研究 東洋の英知:理論編

東洋的認識論

当研究室では、旧教養科心理学研究室時代から、自我体験の調査研究を行って来ましたが(渡辺恒夫・高石恭子、共編『<私>という謎:自我体験の心理学』新曜社、2004)、自我体験研究の方法として、黒田正典が西洋の客体観察的認識法に対比させて東洋独自とした主体変様的認識法の導入を図り、これを、東洋における多様な、身体技法、芸術、医術、宗教的行法一般の、最も根本的な認識論として位置づける作業を進めています。

 最近の研究成果として、「自我体験と主体変様的アプローチ」(『人間性心理学研究』Vol.23/1, 1-12)があります。

 また、"Varieties of Theoretical Psychology" の第10章として出版された論文”Eastern Epistemology and psychology of the subjective self”のPDF版をアップロードしておきます。 引用の際には、英書のタイトル、編者、出版社名を正確に記入していただくようお願いします。

”Eastern Epistemology and psychology of the subjective self”

死生学研究

 自我体験の調査研究を発展させるにつれて、自我体験からの世界観的展開の必然的な結果の一つが、「一者の思想」にあることが明らかになってきました。一者の思想とは、あらゆる個は、唯一の大いなる存在の個別的な現われに過ぎないという世界観で、ギリシャの哲学者プロティノスの言葉を拝借したものです。21世紀後半の死生観のパラダイム転換をめざした『<私の死>の謎:世界観の心理学で独我を超える』では、自我体験研究の結果として見出された一者の思想の具体的世界観展開事例として、遍在転生観と、古代東洋思想に由来する梵我一如の2つの類型を、体験事例に即して解明するにいたっています。

  • なお、具体的体験事例の研究として、古代インド思想に深く帰依した物理学者シュレディンガーの自伝の分析を、科学基礎論学会(2006年度)で発表しています。<要約>

III 当研究室での研究 東洋の英知:実践編

  • 瞑想法や心身技法のような実践法によって裏付けられているのが、東洋の英知の特徴です。当研究室では、価値観の転換に少しでも役立ちそうな東洋的実践法の科学的研究に着手しています。
  • 手始めに、本年度から、心と生命の環境学研究センターにおいて、本学名誉教授(物理学)で理学部文化講座「健康太極拳」の指導者である桂川秀嗣先生を中心に、太極拳の科学的解明を進めるプロジェクト「心身のリラックス状態の心理生理学的測定」を発足させました。心と生命の環境学研究センター