キャンパスの植物たち

東邦大学名誉教授  吉崎 誠

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キャンパスの植物達

きっかけと目的

 私たちのまわりの自然景観を作っているのは植物、ことに樹木です。毎日通学の途中に見かける樹木の名前くらいは知っておきたい。せめて、キャンパスで毎日見かける植物達の名前はしっかりと覚えて欲しいものです。植物の名前をおぼえると、芽がでたね、葉が色づいてきたね、蕾がふくらんできたね、花が咲いたね、果実がみのっ てきたね、アッ!実が鳥に食べられたね、葉が落ちたね!と、ふしぎなことにその植物の季節変化に気がつくようになります。植物の名前をおぼえることは自然観察の基礎なのです。野外生物とのふれあいは、毎日の生活のなかで育んでこそ身につくことなのです。すこしでも、植物の名前を知って、植物達と友達になってください。身近な生き物とのふれあいが、諸君の生物学的知識を豊かにしてくれます。

 学生版の牧野日本植物図鑑と、野帳を1冊買ってください。世界中を旅行して、各地で日本では見慣れない植物にであいます。でも、世界中のどこへ行っても、その土地の植物図鑑を手に入れることは実は大変なことです。あっても図鑑は思いがけなく高価なものです。日本では牧野日本植物図鑑があって、すぐに植物名を見つけだすことができます。また、山と渓谷社などから有用でしかも美しい植物写真集がたくさん出版されています。日本は野生生物に関心をもつ人が多い国です。その基礎として牧野日本植物図鑑があります。世界中の温帯域であれば、学生版の牧野日本植物図鑑を持ち歩くととても役にたちます。これは何だろう?と採った葉の一枚を図鑑に挟み込んでおきましょう。だれかに植物の名前を聞くときにとても役にたつに違いありません。学生版の牧野日本植物図鑑は自分で本屋さんに注文して手に入れてください。

 野帳は観察記録ノートです。「忘却率は記憶率よりも大」ですから、気の付いたことは忘れる前に、気が付いた時にすぐに記録しておきます。諸君達が卒業するまでに何冊の野帳が手元にたまることでしょうか。たくさんの野帳を作った人こそ生の生物学的知識をため込んだ経験者である筈です。自然を見つめる目を養うことこそ生物学の基礎勉強です。

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