伊豆諸島鳥島
鳥島におけるアホウドリの繁殖状況
 

2.鳥島におけるアホウドリの繁殖状況

   

1)近年の産卵数の推移

    表1は、確定した産卵数とこの時期の観察個体数を近年の資料とともに表す。
   

表1. 伊豆諸島鳥島におけるアホウドリの繁殖状況

  観察個体数
産卵数
産卵年
(羽)
西地区
東地区
新コロニー
合計
巣立ち数
1990
202
77
31
0
108
66
1991
232
79
36
0
115
51
1992
258
93
46
0
139
66
1993
260
94
52
0
146
79
1994
281
92
61
0
153
82
1995
303
89
68
1
158
62
1996
309
99
75
2
176
90
1997
327
113
80
1
194
130
1998
363
123
89
1
213
143
1999
343
122
97
1
220
148
2000
366
135
102
1
238
173
2001
381
138
112
1
251
161
2002
469
150
116
1
267
 
1990年比
+267
+73
+85
+1
+159
 
増加率(倍)
2.3
1.9
3.7
-
2.5
 

 産卵数は西地区で12個、東地区では4個、あわせて16個が増加した。昨シーズン比6.4%の増加で、ほぼ順調な増加である。
 これに対して、観察個体数は469羽で(他の2日の観察数は456羽と459羽で変動は少ない)、88羽と大幅に増加した(昨年比23%の増加)。これは、従来コロニーの保全管理工事が成功をおさめ、1997-1998年繁殖期から毎年100羽以上のひなが巣立つようになったためで、それらのひなが成長してコロニーに帰りはじめたことによっている(3歳で個体生存率のおよそ半数、4歳で大部分が鳥島に帰ってくる。
 これらの若鳥は、コロニーでつがい相手を求め、2-3年かけてつがいを形成し、その翌年から繁殖する。したがって、今から3-4年後の2005年ころから産卵数(=繁殖つがい数)が急増すると予測される。

次に、区域別の産卵数を示す。