鳥島における繁殖状況
鳥島におけるアホウドリの繁殖状況
 

1.2002-03年繁殖期

   

調査の第1日と2日に、従来コロニーの全体を見渡すことができる燕崎の崖の中段から、西地区・東地区の地図を作り、そこに巣の位置と抱卵姿勢をとっている固体の年齢クラス(全身白い成鳥、黒褐色の羽毛が半分くらい残っている亜成鳥、それに全体的に黒褐色の未成鳥に3区分)を記録した。
 そのあと、それぞれの巣について、卵を持っているかどうかを次のようにチェックした。

1)抱卵固体が立ち上がったとき、あるいは観察者が意識的に巣に近づいて、直接卵を確認した。
2)巣に座っている鳥の年齢クラスが変わり、抱卵交替が確認された。
3)同じ個体が3-4日続けて巣に座っていた場合も、卵を抱いていると判断した(これまで一貫してこの方法で調査してきた)。

 繁殖地の周辺にいるアホウドリの大部分は、日没前にコロニーにもどる。毎回、1600時前後に燕崎の崖の中段から、コロニーに降りている個体や飛翔中の個体、海上に群れて浮いている個体を数え、ベースキャンプへ帰る途中、1700時ころに新コロニーにいる個体数を数えて、観察個体数とした。これは、産卵数と較べると具体的意味に乏しい数字であるが、同じ調査方法で得られたものなので比較することが可能であり、これから個体数のおおまかな増減傾向を読み取ることが出来る(この時期の個体観察数は約8-10年後の産卵数に対応する傾向が見られる)。

 次に、確定した産卵数とこの時期の観察個体数を近年の資料と合わせて表に記す。