伊豆諸島鳥島では、滞在中に少なくとも5羽の若い未標識の鳥(羽色から3〜8 歳と推測)が観察され、そのうちの1羽はひなに給餌していた。
私は、鳥島でほとんどすべてのひなに足環で標識してきたから、足環の脱落が ほとんどないとすれば、これらは鳥島以外、つまり尖閣諸島で生まれた個体で あると推測することができる。 まだ、直接的で積極的な証拠は得られていないが、2集団間で個体の交流があ る可能性が非常に高い(少なくとも尖閣諸島集団から鳥島集団への移入)。
なお、弘前大学農学生命科学部の黒尾正樹さんたちと共同で、鳥島集団の遺伝 学的多様性を解明している(2001年10月の日本鳥学会で研究発表、後述)。